シーズン中盤。環境の理解が進むにつれ、関東のプレイヤーはある問題に腐心していた。

それは地域間でのメタゲームの違いだ。池袋ではプランコンがメインでも、秋葉原では黒ビートが、立川ではロストウィニーが多いなど、地域や店舗によって違いがあった。

池袋オーガのような大型店舗を除いて、殆どの予選は30人程度で行われていた。スイス4回戦もしくは5回戦を戦い、全勝者もしくは1分けラインにいなければ、権利を獲得することができない。メタを読み間違え、1回戦で苦手なデッキを踏んで負けてしまったならば、その時点で権利を取ることが難しくなってします。そこで参加する予選店舗の傾向を調べ、デッキを選択するという情報戦が繰り広げられていた。

 

 

10年以上前の話なので時効だと思うので書くが、予選突破の為にトス要員と一緒に予選に参加することもあった。
予選の中で途中当たった場合、投了してもらう為、また権利持ちの人間が優勝した場合、
2位の人間に権利が繰り下がるので、アシストをしてもらう為に権利持ちの友人を大会に連れていくことはよく行われていたような気がする。
自分も権利を持っていない友人の為に予選に出たことがある、友人と一緒に本選に出たいという気持ちで行っていたことだが、今考えると大人げないことをしていたのではとも思ってしまう。

 

 予選といえば、ドラフト予選が開催されたのもこの予選からだった。D-0のドラフトはこの直前にルールが制定さればかりで、まだ定跡や戦略が定まっていない未開のフォーマットであった。

ドラフト予選の利点はメタを読む必要がないこと、また8人で行われる場合は3回戦で決着がつくことが挙げられる。構築に比べ運に左右される要因も大きいが、実力やデッキ相性がはっきりと出る構築よりも、チャンスはあり、時間もかからないというのは利点だったと思う。

 

 

一時期、ボードゲーム天国と化していたトロール壮だったが、本線が近づくにつれようやく調整が本格化し始めた。当時の認識として、一つは多色プランを使う事はほぼ確定していた。ロストウィニー系に弱いとは言え、プレイングに気を付けることでまったく勝てないというわけでもなかったし、何よりここまで高いデッキパワーを持つものを使わない手はないという認識だった。

問題は同系対決と、ABどちらに使用するかということだった。

不毛ともいえる同系対決の練習が行われた結果、同系に勝つ為の条件が見えてきた。

・プランジャーを除外する。

・同系と判明した時点でプランジャーをエネルギーに置かないようにする。

これは、同系対決が最終的にデッキ切れで勝つ、もしくは負けないようにする為の対策であった。

それ以外にも

・幽鬼の谷や呪われた館、ドラゴンの洞窟などアドバンテージのとれるベースを使用して優位を築く

このように長期戦に強い構築を目指したが、やりすぎるとビートダウン全体に対する耐性を落とすことになるので、こういったカードは1枚もしくは2枚に止めるという結論が導き出された。

 

 次にABどちらに使用するかという問題だが、これは個人の考えや相方のデッキによって変わってくるので、結論を出さすことはしなかった。主な意見としては

・プランコンは時間がかかるのでAデッキで使用し、Bデッキで早いデッキを使用する。最悪でも1勝(4点)が狙える

Aデッキに早いデッキを持っていき。時間を残してBデッキでプランコンを使用する。

という意見が出ていたが、最後までどちらが正解なのか、見つけることはできなかった。

 

 


一日中調整を行っていたトロール壮。普通のウィークリーマンションなので、キッチンも完備していたが食事はもっぱら外食だった。近くにコンビニやお弁当屋さんがあるので食には困らなかったが、こういった食事は飽きるのも早い。池袋駅まであれば様々な選択肢が生まれるが、駅から少し離れていたこともあり駅まで行く者は少なかった。

そんなある日、外食から帰ってきた面々が言った。

「近所に美味い中華料理店がある」

その情報は一瞬で広まり、コンビニや総菜屋の弁当に飽きていた者はこぞって、そのお店に駆け込んで行った。そのお店の場所も名前ももう忘れてしまったが、あんかけチャーハンが抜群においしかった事だけは覚えている。

もっと早くこのお店に気付けなかったのか? 確実にターパンのプレイミスだろうという話が冗談交じりに出ていた。